中小企業の人手不足は、「ワクしが」で解消
「人手不足」という言葉に、少し違和感があります。
「人が足りないんです」
企業の経営者の方とお話ししていると、そんな言葉をよく耳にします。
採用したくても人が集まらない。
今いる社員も忙しい。
社長自身も日々の業務に追われている。
中小企業にとって、人手不足は本当に深刻な問題です。
私も、企業の人財育成や生産性向上、経営改善の支援に携わる中で、
そうした悩みをたくさん見てきました。
だからこそ、「人手不足」という言葉を聞くたびに、少し考えることがあります。
本当に、人が足りないということだけが問題なのだろうか。
もしかすると、仕事の分担や進め方を変えることで、
今とは違う状況をつくれる会社もあるのではないだろうか。
そんなことを感じるようになりました。
社長が、そこまでやらなければいけないのだろうか。
以前、売上が1億円規模の企業で、
社長自身が勤怠管理や日報入力、原価計算などの業務を担っているケースがありました。
社長には、社長にしかできない仕事があるはずです。
会社の将来を考えること。
お客様との関係を深めること。
新しい仕事を生み出すこと。
社員が力を発揮できる環境をつくること。
もちろん、会社の規模や状況によって、
社長が実務を担わなければならない場面もあります。
現場の仕事を理解しているからこそ、できる判断もあるでしょう。
それでも、社長が日々の業務に追われ、
本来取り組みたい仕事に十分な時間を使えなくなっているとしたら。
それは、会社にとってもったいないことなのではないかと思うのです。
仕組みをつくるだけでは、仕事は変わらない。
その企業では、勤怠管理や日報、原価計算などの業務を効率化するため、
私は業務の一部を引き受け、kintoneを使って情報を入力できる仕組みをつくろうとしました。
仕組みが整えば、日々の業務を効率化し、必要な情報を経営に活かせるようになる。
そう考えたからです。
ところが、思うようには進みませんでした。
日報の情報が送られてこないため、必要なデータを入力できなかったのです。
システムを用意するだけでは、業務は変わりません。
必要な情報がきちんと集まること。
誰が何を担当するのかが決まっていること。
新しいやり方が日々の仕事に定着すること。
そうしたことがそろって初めて、仕組みは機能します。
この経験を通して、私は改めて感じました。
生産性を上げるために必要なのは、システムを導入することだけではない。
仕事そのものを見直すことも大切なのだ。
人を増やす前に、考えてみたいこと。
人手不足に悩んでいるとき、採用は大切な選択肢です。
ただ、採用することだけが解決策ではありません。
例えば、今ある仕事を一つずつ見直してみる。
本当に社長自身がやらなければならない仕事なのか。
社員に任せられる仕事はないか。
手順や仕組みを変えることで、負担を減らせないか。
社内に担当できる人がいなければ、外部の専門家にお願いできないか。
こうした視点で考えるだけでも、仕事の見え方は変わるかもしれません。
大切なのは、何でも外部に任せればいいということではありません。
社内で育てるべき仕事もあれば、社長自身が担うべき仕事もあります。
一方で、専門知識を持つ人に任せたほうが、よりよい結果につながる仕事もあるはずです。
それぞれの仕事に合った人や方法を考える。
その積み重ねが、限られた人財を活かすことにつながるのではないでしょうか。
人手不足という言葉の向こう側には、
まだ活かしきれていない仕事や、
人の力があるのかもしれません。
社内の人だけで何とかしようとするのではなく、
必要に応じて外部の専門家の力も借りながら、それぞれの得意なことを活かしていく。
そんな選択肢が、もっと自然にあってもいいのではないか。
そう考えて立ち上げたのが、
滋賀の企業と、地域で専門性を活かして働く人をつなぐ 「ワクしが」 です。
単に仕事を依頼する人と受ける人をつなぐだけではなく、
企業が抱える課題と、一人ひとりが持つ力が出会うことで、新しい可能性が生まれる。
私は、そんなつながりを滋賀に増やしていきたいと思っています。
まずは、身近な仕事を見直すことから。
あなたの会社では、社長が本来やるべき仕事に、十分な時間を使えていますか?
もし日々の業務に追われていると感じるなら、
「この仕事は、本当に自分がやるべき仕事だろうか」
と考えてみるところから始めてみてもいいのではないでしょうか。


コメント